翻訳理念

翻訳理念

翻訳とは? と尋ねられると、「一つの国語から違う国語への訳すこと」と返信する方が多いだろう。

ただ、「訳す」とはどの部分に指すでしょうか?

20世紀中旬に活躍していた翻訳学者が言うには、「言葉の意味さえ伝えば十分」というトレンドがありました。要は、訳者があまりに意訳してしまったら、原文の作者の意思がなくなる可能性があったと思いましたので直訳することが一番正確だと思われました。

では、原文の構成まで直訳することが良いのであれば、言葉の裏に隠れている文化や習慣などの意味合いはどうになりますか?

例えば「猿も木から落ちる」などの日本人が自動的に意味を受け込める諺を直訳すると英語圏の人がよく考えないと理解できません。その直訳の「Even monkeys fall from trees」は文脈によって推測できるだろうが「推測」がいいの?読者が推測しないといけない場合は翻訳者が役割を満していないじゃない?とも思われます。 訳文により「日本人と同じように自動的に裏意味を受け込む」ということが目的でしたら上記の直訳は間違えなく不適切です。

翻訳についていろいろな解釈や理念があろうが、ワット芸文翻訳の翻訳理念を一言でいうなら
「原文の意味を訳文で伝える」になります。